広まりつつあります。
これまで日本では、
はんこはあらゆる手続きの際に
必須のものでした。
荷物の受け取りから
ビジネスの書類まで、
様々な場所ではんこが
使われてきました。
しかし、
現在ここまでたくさん
はんこを使う国は
日本くらいしかありません。
また、国際化が進む中で、
はんこはサインの便利さには
敵わないことが分かって
きました。
はんこ廃止の声は
ますます大きくなっています。
では、
日本ではんこ文化が始まったのは
いつ頃なのでしょう?
日本で最初に
はんこ文化が始まったのは、
なんと2300年以上前からです!
しかし、はんこ文化が
一般市民にまで定着したのは
そこからかなりの年月が経った、
明治時代でした。
目次
教科書にも出てきていた!はんこの長い歴史とは!?
明治時代にはんこ文化が定着した日本。
それまでの道のりは
長いものでした。
そもそもはんこの起源は
5000年以上前。
西洋のメソポタミア地方で
初めてはんこが作られました。
メソポタミアで生まれたはんこは、
世界各地へ広まります。
シルクロードを通じて
中国へももたらされました。
その後、日本へはんこが
やってくるのです。
日本には2300年ほど前に
やってきたといわれています。
現在判明している中で
一番古いはんこは「金印」です。
「漢倭奴国王
(かんのわのなのこくおう)」と
印された、全面金色のはんこです。
あの有名な金印が
日本最古のはんこだったとは、
驚きですね!
そして、金印の豪華さからも
想像できますが、
はんこが日本へやってきた当初は
支配者層だけが使うことを
許されていました。
公の印として、自分のはんこを
持っていたのです。
その後、
平安から鎌倉時代になると、
はんこは個人の印として
使われるようになりました。
しかしここでも
はんこを使うのは武士などの
限られた階級の人だけでした。
「花押(かおう)」と
呼ばれるはんこで、
武士が署名のかわりに
使っていました。
江戸時代になると、
はんこは商売で使用されることに
なりますが、
ここでも一般層へ広まることは
ありませんでした。
はんこはそのまま
消え去ってしまうのか…と
思いきや、明治時代になって
はんこに関する法令が
制定されました。
明治6年10月1日のことです。
明治政府の法令により、
公式な書類には実印を押すことが
義務付けられたのです。
このときようやく、
はんこが正式な実印として
認められました。
これをきっかけにすべての国民が
はんこを使うようになり、
現在のはんこ文化が定着しました。
印鑑登録制度もこの時にスタートし、
現在まで続いています。
納得の歴史的背景!はんこ文化が日本に定着した訳とは?
はんこは一度廃れそうになりながらも
なぜ定着したのでしょう?
やはり、法令で定められたから
ということが大きいです。
しかし、署名でもいいのに
なぜはんこが?
それは
当時の識字能力が低かったことが
大きな原因だといえるでしょう。
現在の日本は99%以上の国民が
文字を読み書きできます。
しかし、明治時代は
そうではありませんでした。
地域や世代によっては、
半数以上の人間が読み書きできない
という状況だったのです。
都市部に住んでいたり、
若者だったりすると
読み書きを学ぶ機会に
恵まれていました。
しかし地方の住民やお年寄り、
そして女性など識字能力が
低い人たちがまだたくさんいたのです。
そうした人たちに
毎回署名をさせると
大変な労力がかかることは
容易に想像できますね。
しかしはんこなら、
押すだけでいいのです。
どのような世代でも、
どのような立場でも使えるのが
はんこでした。
まとめ
はんこ文化は明治時代に定着しました。
そのときの文化が
今でも続いているのです。
識字能力に関係なく使えるはんこは
便利なものでしたが、
時代は変わっています。
日本に住む外国人は、
はんこ持っておらず
作るのにも一苦労です。
また、第三者が勝手に
他人のはんこを使い
トラブルが起きることもあります。
明治時代には
便利だったはんこですが、
今ははんこの問題点が
浮き彫りになっているのです。
そのことを考えると、
今まで通りのはんこの使い方を
見直してみる価値は十分にあると
言えるでしょう。