セミを食べた事はありますか?
私は食べた事はありませんので、
先日話題になった、杉並区の公園で
「セミ食用の捕獲禁止!」の
ニュースにとても驚きましたが、
蝉は幼虫も成虫も、見た目以上に
美味しいそうです。
元々、昆虫食文化のある日本ですが、
近年、食卓の虫料理が並ぶ事は
ありませんよね。
でも、中国や東南アジアでは
日常食として、セミは食べられているので、
ちゃんとした調理法がありました。
ただ油で揚げるだけではない、
幼虫と成虫で作り方の工程が違う、
中華料理での調理法をご紹介します。
目次
幼虫と成虫の料理する時のポイントは?
幼虫
成虫になる為に蓄えている栄養分がたっぷり含まれているので、
栄養素を逃さないように、
素早く素揚げにして塩を振ります。
幼虫は、外殻も柔らかく、
排泄しない為、腸内洗浄などの
下処理の必要はありません。
成虫
絶食させて羽を取り、さっと熱湯で茹でてから、
油でカラッと揚げます。
淡白な味なので、塩や醤油などで
濃いめに味を付けます。
成虫は、大きく鳴くため、
発達した筋肉に寄生虫がいる事があるので、
一度熱湯にさらすと安心ですね。
羽をとるのも、美味しく食べるポイントです。
栄養面でも、たんぱく質やビタミン、
ミネラルやアミノ酸など豊富に含んでいて、
成分だけ見たら高機能栄養食品のようです。
材料がエビだったら、
いくらでも食べられそうですね。
セミって・・・。
鶏の卵の1.7倍!セミは将来タンパク源として重宝されるかも…⁉
セミの美味しい調理法を説明してきましたが、
近い将来、日本がセミを日常的に
食べる地域になる可能性だって
あるんです。
国連によれば、
このまま人口増加が進めば、
30年後の2050年には、
世界の人口は98億人になると
発表しています。
人口増加による食料問題の中でも、
特に心配されているのが、
たんぱく質源の生産が需要に追い付かなる、
通称「タンパク質危機
(プロテイン クライシス)」です。
私たちが生きて行く上で欠かせない、
重要な栄養を補う為には、
高タンパク質の虫をたべる選択肢は
十分にあり得ます。
特にセミの幼虫は、
日本で生息している虫の中でも
非常にたんぱく質の含有量が高く、
私たちに取って馴染みのある鶏の卵の
良質なたんぱく質源と、比べてみても、
約1.7倍もタンパク質量が多いのです!
(100gあたりのたんぱく質含有量は
鶏の卵が13gに対して、セミの幼虫は23g)
日本では、温暖化の影響で
セミの数も年々増加傾向にありますので、
来たるべき将来に向けて、セミを食用とする
心づもりをしておいても良いでしょう。
煮付けや炒めに…セミチリ⁉意外とバリエーション豊富なセミ料理
終齢幼虫料理
中国河南省や山東省では、羽化直前に土中から出た幼虫(終齢幼虫)を、
素揚げの他、煮付けや炒め物にします。
羽化直前の幼虫というところに
希少性があり、こだわりを感じますね。
プーラン族のセミ味噌
雲南省のプーラン族は、1日中鳴いて大人しくなった
セミの成虫を集めて、
茹でてから羽根を取り、
蒸してからすり潰したものを、
セミ味噌として食用にします。
セミ味噌には、幼虫と味噌を混ぜて作るものもあります。
セミチリ
国内の昆虫食の第一人者である、内山昭一発案の一品です。
エビの代わりに、
セミの幼虫のむき身とチリソースで作ります。
写真を見ましたが、これまで調べてきた
セミ食の中では、食べやすそうなビジュアルでした。
料理だけではなく、セミの抜け殻は
生薬として、痒みや発疹を抑える
漢方薬の消風散(しょうふうさん)に
含まれています。
幼虫も成虫も美味しく食べれて、
抜け殻は薬になるなんて、
ポテンシャルが高いですね。
まとめ
セミは昆虫料理のビギナーズ食材セミの調理法と栄養価、
将来のたんぱく質不足に備えての、
セミ料理などを紹介してきました。
現在の日本の食卓では、
あまり一般的ではないセミ料理ですが、
よその国では日常的に食べられていましたね。
人によって苦手なポイントは
違うと思いますが、
高タンパクな昆虫の代表の
「マダガスカルゴキブリ」や
「いなご」よりかは、
目立った脚や触覚がない分、
ビジュアル的にセミは食べやすいと思います。
最後に、セミも食べると
アレルギーが出る可能性が高いので、
特に甲殻類アレルギーがある人は注意して下さい!