実は囲碁が由来だった!?死活問題の語源って何か知ってる?

死活問題という言葉があります。

「今期の業績不振は
わが社にとって死活問題だ!」

「対応を誤れば学校の死活問題に
なりかねない!」

といったような、
まさに死ぬか生きるかの
切羽詰まった状況を表す意味で
使われます。

 
そうは言っても、
普段生活している中で
それだけの状況になるという人も
あまりないでしょうから、
会話の中で使われることは
少ないのだろうと思います。

 
 
ただ、
新聞やネットなどのニュースでは
よく見かける言葉ですよね。

強い言葉なので
見出しにはちょうど良いのかも
しれません。

 
死活という漢字からは、
生か死かといった意味が
容易に想像できます。

ですが実はこの言葉、
もともと囲碁用語であることを
知っていますか?

では
死活という言葉の語源について
少し説明しましょう。

 
 

目次

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〝死活問題″の由来は囲碁のルールだった!?


囲碁というゲームの存在を
知っている人は多いと思います。

でも、升目の入った盤上に
白と黒の石をなにやらパチパチ
打っているなあという印象くらいで、
実際のところどういうゲームなのか
知っている人は、
ほとんどいないのではないでしょうか。

 
囲碁は一口にいってしまえば
陣取り合戦です。

 
要するに、
盤上に自分の領域を確保して、
より多くの領域をとった方が
勝ちというゲームなのですが、
そのルールのひとつに、
相手の石を囲うことで
相手の石を取ることができる
というルールがあります。

 
細かい説明は難しいので
簡単に言いますが、対局の途中で
確実に相手に石を取られてしまう
状況になったとします。

囲碁では、こうした
取られる状況になった石のことを
死んだ石」と呼びます。

逆に取られることのない石のことを
活きた石」と呼ぶのです。

 
そして、この石の活き死にのことを
囲碁用語で死活といい、
一般に使われている
死活問題」という言葉の
語源となっています。

 

実はたくさんあった!囲碁由来の言葉を紹介!

囲碁の歴史は古く、
2000年以上も昔の中国
誕生したと言われています。

 
日本に伝わったのは
飛鳥時代頃とされており、
その後は貴族たちの間で流行し、
戦国時代には織田信長や
徳川家康なども好んで打っていた
そうです。

 
こうして長い間親しまれてきた
囲碁からは「死活問題」をはじめ、
たくさんの言葉が生まれることと
なります。

 
一般に無駄なことの意味で
よく使われる「駄目(ダメ)」
という言葉もそのひとつです

囲碁でいう駄目とは、どちらの
陣地にも含まれない場所のことで
打っても陣地とはなりません。

つまり
価値のない場所という意味から
使われるようになりました。

 
そして駄目から派生した
駄目押し」も囲碁用語から
使われるようになった言葉です。

 
囲碁では、決着がついた後に
先ほどの駄目を確認のため
石で埋めることを言いますが、
そこから勝敗が決した上に
さらに追い打ちをかけるという
意味で使われるようになりました。

 
 
それから一見関係なさそうですが
八百長」もそうです。

明治時代、
八百屋の長兵衛という人がおり、
通称で「やおちょう」と
呼ばれていたそうです。

長兵衛は
あるお客さんとよく碁を打ち、
しょっちゅう負けていました。

 
ところがある日、
囲碁名人と互角の勝負をしたことで、
相当な実力者であることが
皆に知れてしまいます。

 
実は長兵衛はお客さんに
店で買い物をしてもらうため、
手加減してわざと負けていたのです。

 
以来、
本気を出しているふりをしながら
わざと負けたりする行為を
八百長と呼ぶようになった
とのことです。

 

まとめ

今回紹介した「死活問題」
「駄目」「駄目押し」「八百長」
のほかにも「定石」「一目置く
捨て石」など、
囲碁を語源とする言葉は
まだまだたくさんあります。

 
普段から何気なく使っている
言葉の中に浸透しているんだなあ
と感じます。

当たり前なのですが、
すべての言葉にはルーツがあって
もとは何かしらの出来事だったり、
モノだったり、人だったりする
わけですよね。

 
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