ありますよね。
仮装をしたりお菓子を貰いにいく子どもたち…。
その中でも一際印象深いのが、
『ジャックオーランタン』ではないでしょうか?
そう、カボチャに顔を掘ってくりぬいた
アレです。
ジャックオーランタンって
何だか人の名前のようですよね。
直訳すると『ジャックのランタン』ですし。
ジャックオーランタンは伝承上の人物名で、
死後天国にも地獄にも行けなかった男性
と言われています。
悪魔からもらった地獄の小さな炎を
火種に、萎びたカブをくりぬき
ランタンを手に現世をさ迷っている…
というもの。
そう聞くと、何となくおどろおどろしい
雰囲気も納得できますよね。
目次
ジャックオーランタンの伝説!ハロウィンの夜に何が?
昔、ジャックという酒好きの男性がいました。彼は堕落した生活を送っていたのですが、
あるハロウィンの夜、道を歩いていると
悪魔と遭遇してしまいます。
悪魔は彼の魂を刈り取ろうとしました。
するとジャックは「最後に酒が飲みたい」
と悪魔に懇願したのです。
その願いを聞いた悪魔は、
自分の姿をコインに変え、酒代にするように
言ったのです。
しかしジャックは、コインに化けた悪魔を
十字架で押さえつけ、自身の財布に
閉じ込めてしまいました!
これには悪魔も困り果て、
『向こう10年間、ジャックの魂を取らない』
と約束し、解放されたのでした。
そして約束の10年後。
再びジャックの前に現れた悪魔は、
魂を刈り取ろうとしました。
すると、ジャックは
「最後にあの木のリンゴが食べたい」
と悪魔に頼んだのです。
最後の願いを聞いた悪魔は、
リンゴの木を登り、リンゴを
取ろうとしました。
その隙に、ジャックは持っていたナイフで
リンゴの木の幹に十字架を書き、
悪魔を木に封じてしまったのです!
観念した悪魔は、
『今後一切ジャックの魂を取らない』
と約束し、解放されたのでした。
寿命を迎えたジャックは、
生前の行いが悪く天国には行けません。
仕方なく地獄へと向かいますが、
あの時の悪魔が現れ、言いました。
「お前の魂は取らないと約束している。
だからお前は地獄には連れていけない」と。
天国にも地獄にも行けず、
まして現世の肉体は滅んでしまったため
当然生き返ることもできません。
暗く冷たい道を引き返すジャックは
困り果て、「灯りが欲しい」と悪魔に
懇願しました。
悪魔は仕方なく、地獄の炎の
小さな火種を渡しました。
ジャックは、灯りを絶やさないために、
道端に落ちていた萎びたカブをくりぬき、
火種をその中に収め、ランタンとしたのです。
その後もジャックは、あの世に行くことも
できず現世をさ迷っている…
『ジャックオーランタン』には
そんな伝説があるのです。
ジャックオーランタンはカブだった?!いつからカボチャに?
前述の最後、悪魔からわけられた火種をカブをくりぬいて灯した…とあります。
『ジャックオーランタンはカボチャでは?』
と疑問になりますよね。
これはハロウィンの誕生が関係してきます。
元々ハロウィンは古代ヨーロッパの
中~西部に住んだケルト人が発祥させたと
されています。
この時、ランタンを作る際は
カブが用いられていました。
やがてケルト人たちはアメリカに渡り、
この地でもハロウィンを開催しようと
しました。
しかし、アメリカではカブは入手が
しづらく、馴染みもありませんでした。
そこで手に入りやすく、加工がしやすい
カボチャを使うことにしました。
それが今日でも残り、
ジャックオーランタン=カボチャの
イメージを強くしたのです。
その証拠に、スコットランドでは
今でもカブを使ったジャックオーランタンが
あるそうですよ。
まとめ
神話や伝承ってなかなか面白いエピソードが多いですよね!
今回ご紹介した『ジャックオーランタン』も
「どっちが悪魔だかわからない」と
言うのが筆者の率直な感想です。(笑)
最後まで約束を守り、情をかけた悪魔が
ジャックにことごとく裏切られていたのが
何とも言えない気持ちにさせます。
しかし、一見騙され続けている悪魔が
『最初からジャックの悪知恵が働き、
ずる賢い性格」を理解していたのなら?
取引の末、地獄にも天国にも行けず、
さ迷うことが本当の“地獄”だったのなら?
…なんて、考えるのも楽しいですね。