国内最高層の木造オフィスビルを
建築する計画を立て始めました。
2025年竣工予定で、場所は
東京都の日本橋。
耐火性のある木材を使用した
ビルになります。
また、高さは地上17階、
70メートルになる予定です。
木造建築と聞くと、高さ2~3階程度の
建物を思い浮かべますが、17階とは
想像もつかないほど大きな規模の
建物ですね。
そんなに高い木造ビルでも本当に
安全なのか心配になってしまいます。
ビルは鉄骨造のイメージが
強いですからね。
しかし、木造ビルには
メリットがいくつもあるのです。
そのメリットは、建設費を抑えつつ
地球温暖化を防ぎ、さらには国内の
林業を救う手立てにもなる
ということです!
目次
私たちの未来を変える!?木造ビルの4つのメリットとは?
木造ビルが林業を救い地球温暖化まで防止できるなんて、そんな都合のいい話が
あるとは信じがたいのですが…。
先ほど述べたメリットを、
4つに分けて解説していきましょう。
地球温暖化の防止になる
木造ビルの原料は木材です。木は光合成をおこなうため、
二酸化炭素を吸って酸素を出します。
吸収した二酸化炭素は木材に蓄積され、
再び空気中に出されることはありません。
鉄筋コンクリートや鉄骨造のビルでは
そんなことは行われませんよね。
日本橋に建設予定のビルも、鉄骨造の
ビルと比べて二酸化炭素の排出量を
約20%も抑えられると
考えられています。
地球温暖化は今後避けては
通れない課題です。
ですから、二酸化炭素を2割も
削減できるのは環境への負担を
おおいに減らせると思います。
これから木造のビルが増えれば、
その分だけ二酸化炭素もどんどん
削減されて、環境にとっていい循環が
できあがると予想できます。
日本国内の林業の活性化につながる
鉄筋コンクリートや鉄骨造のビルを作るための原料は、ほとんどが
海外からの輸入です。
しかし、木材ならば日本で調達できます。
スギやヒノキなど、頑丈で質の良い木が
たくさんありますからね。
近ごろ、日本の山が荒れ、
廃れていくことが問題になっています。
もし建築に使うための木材の需要が
増えれば、再び林業を盛り上げることが
できるかもしれません。
少なくとも、山の荒廃を止められると
考えています。
建設費用を削減できる
木材は鉄骨よりも軽いです。そして強度は強いのです。
さらに、加工するときも鉄骨より
手間がかかりません。
よって、鉄骨造に比べて基礎工事の
費用を抑えることができるようになります。
ただでさえ高層ビルの建設には
莫大な費用がかかりますから、
材料を変えるだけで費用を削減できるのは
ありがたいですね。
ランニングコストが少ない
木造ビルは、完成後もコストパフォーマンスのよさを
発揮できるといえます。
木材は鉄骨よりも断熱性が高いので、
夏は涼しく冬は暖かい建物を
建設することができます。
結果的に光熱費が安くなり、
長期にわたって出費を抑えることが
できるのです。
デメリットは!?木造ビル建設のデータ不足!
メリットがたくさんの木造ビルですが、デメリットも考えられます。
一番大きな問題点は、
ビルの劣化・解体についての
前例が無いことです。
これまで高層ビルは、鉄筋コンクリートか
鉄骨造のビルばかりでした。
それらについては、劣化速度などのデータが
大量に記録されています。
しかし、木造の高層ビルは最近初めて
出てきたものです。
どのように劣化するのか、劣化の早さは
どのくらいなのかなどのデータはありません。
もちろんシミュレーションはされてから
建設されますが、その通りになるかは
誰も分からないのです。
そしてどんなビルでも、
いつかは解体されるときがやってきます。
そのときに廃材をどうやってリサイクル
するのか、処理方法をきちんと
決めておかないと大量のごみで
溢れかえることになります。
環境をよくするための建物なのに、解体後は
ごみになったら悲しいですよね。
まとめ
木造ビルには懸念点もありますが、多くのメリットが想定されています。
そして現在、ビルひとつ建てるにあたっても、
環境のことや林業のことなど数多くの事象を
考える必要がある時代になっています。
今計画されている国内最大級の木造ビルが
成功すれば、この流れは大きなものに
なることでしょう。
私は日本の建築がよりよいものに
なってほしいと願っています。