男子はズボン、
女子はスカートと
決まっていました。
しかし今では、
女子生徒向けに
スラックス(ズボン)を
導入する学校が増えています。
2020年現在、和歌山県にある
半数以上の公立高校では、
女子生徒はスカートにするか
スラックスにするか
選べるようになっています。
スラックスを導入する学校は
まだ全国的にみると
多数派ではありませんが、
この動きは今後ますます広がると
考えられます。
では、なぜ女子生徒の制服に
スラックスが採用されることに
なったのでしょうか?
理由はいくつかありますが、
まず1つは
防寒・防犯対策のためです。
そしてもう1つの理由は
性別の多様性に配慮するためです。
目次
女子のスラックス導入!生徒の想いを配慮した3つの理由とは?
それではスラックスが導入される3つの理由を解説しましょう。
① 防寒対策のため
スカートタイプの制服は
おしゃれするのには
うってつけですが、
冬になると寒くて
脚が冷えてしまいます。
真冬の風が吹き荒れる日に
外へ出ると、
女子生徒たちがスカート姿で
寒そうに歩いているのを見かけて
可哀そうに思ったことが
何度かあります。
自転車通学の人は
常に風を受けるため、
冬以外でも脚が冷えやすい
状況です。
また、
スカートで自転車をこぐのは
気も使いますよね。
女性は
あまり体を冷やしすぎると、
体調にも悪影響を及ぼします。
特に成長期にあたる学生は
もっと体を大切にしたほうが
いいと思います。
もし
スラックスタイプの制服なら、
スカートよりは脚を
暖かくすることができます。
そうすれば、体調を崩したり
風邪をひいたりする心配も
減ります。
自転車も気兼ねなく
こげるようになります。
② 防犯になる
あってはならないことですが、
痴漢行為や盗撮などの犯罪行為が
問題になっています。
このような行為は
被害者の生徒に深い心の傷を
おわせてしまいます。
そこで
スラックスの制服にすることで、
少なくとも盗撮は防ぐことが
できます。
痴漢行為も減るかもしれません。
このような被害にあって
つらい思いをしている生徒や、
心配でスカート履くのが
苦痛になっている生徒がいたら、
スラックスに変えるだけでも
少しばかりの助けになるはずです。
③ 性同一性障害の生徒への配慮
身体的には女性でも、
自分の性認識は男性だという
生徒もいます。
性同一性障害、
トランスジェンダー等と呼ばれる
人達です。
そのような人達の中には、
スカートを履くのがしんどいと
思っている生徒もいます。
もし初めから
スカートとスラックスの
選択肢を示してあげたら、
特別な申請をしなくても
好きな服装を選ぶことができます。
そうすることで、
その生徒は自分だけが
異質な存在だという誤解をせずに
済むかもしれませんよね。
2015年に文部科学省は、
性同一性障害の生徒への
きめ細やかな配慮を各都道府県の
教育委員会に求めています。
制服が自由に選択できるように
なるのは、
きめ細やかな対応のひとつと
言えるでしょう。
男子のスカートは導入無し?新しい課題も?
スラックスを採用することで生徒にもたらすメリットは
たくさんあります。
しかし、新しい問題も
浮き上がっています。
○スラックスを使う生徒が
まだまだ少ないという問題
スラックスを導入した学校でも、
女子生徒が誰も
スラックスを履かない
という課題を抱えているところも
あります。
原因として、
自分だけスラックスにするのが
恥ずかしいという気持ちが
生徒側にあるからかも
しれません。
どのようにして
スラックスを定番化していくかが
課題のひとつです。
○男子生徒にはスカートを
導入しないのか?という問題
女子生徒の制服に
スラックスを採用する学校は
増えています。
しかし逆のケースは
ほとんど見られません。
防寒や防犯の面から考えると、
男子生徒がスカートを履いても
デメリットが多いです。
しかしトランスジェンダーへの配慮
という面では、
スカートを導入することも
検討する必要があると私は思います。
この点をどうしていくのかも
大きな課題です。
まとめ
女子生徒の制服にスラックスが導入されることで、
制服が多様化し生徒の内面への
理解も深まる可能性があります。
昔、女子の体操服はブルマでした。
今は男女ともハーフパンツになり、
運動がしやすくなりました。
このように、学校の規則は
時代の変化にともなって、
昔から少しずつ
変わってきているのです。
今度は制服の規則が変わる番だと思います。
そして一番大事なのは、
生徒一人一人が望むタイプの
制服を着られることです。
それが叶えば
学校でのストレスを軽減させ、
楽しい学生生活を送ることが
可能になるでしょう。