(お薬を使わずに治療していく医師を紹介しています。)
うつ病。
五月病とは違い、心の風邪などと言われていますが、長期間に渡り苦しめられている人も多いでしょう。最近では新型うつなどと呼ばれるうつ病も目に触れることが多くなってきました。
体に現れる風邪や糖尿病などだったら、予防も対策もありますが、
うつ病は人それぞれに症状も違い、当然予防薬も罹らない保証もありません。
ふとした時に、ちょっとしたきっかけで、
人はうつ病に悩まされていくのです。
今回はそんなうつ病についてのお話です。
うつ病ってどんな病気?

身近な人に、「私、うつ病なの」と告げられたら、
あなたはどう接するでしょうか?
何気ない一言で更に傷つけてしまうかもしれないと
一歩踏み出せない方もいるのではないでしょうか?
ではまず、うつ病のことについて知っていきましょう。
体に現れる症状としては、不眠、食欲減退、興味心が薄れ行動する気力が無い、
などが特徴的と言えるでしょう。
不眠に関してはうつ病患者の9割が経験することです。
これらのうつ病の可能性のある症状と本人がどんなことにストレスを受けているのかなど、医師と面談し必要であれば家族とも話し合い総合的にうつ病と診断されていきます。
うつ病は、躁うつ病や自律神経失調症など似たような症状とも混同されがちです。
適切な医師の判断無しに素人が闇雲に治せる病ではありません。
少しの違和感がある場合はまずは受診をおすすめ致します。
さて、どうしてこのようにうつ病になってしまうのかと言うと、
例えば失恋、身近な人との別れ、仕事が上手くいかないなど、
些細なきっかけが心身共に大きなストレスに押しつぶされた際に糸が切れてしまうからだと思います。
うつ病に罹ってしまった人に多いのは、
几帳面で仕事真面目で、責任感を強く感じる人など、所謂「頑張り屋さん」がほとんどです。
任された仕事を他人に頼めない
→自分でこなそうとする
→間に合わない・失敗する
→どうして自分はこんなこともできないのかと激しく憤る。
うつ病患者でなければ、仕事を振られた際に同僚に声を掛けるでしょうし、
失敗したら「こんなの無理だよ」と弱音を吐くでしょう。
しかし、そう簡単に言えないのがうつ病患者の特徴でしょう。
どうしても、自分一人の責任だと思い込んでしまうのです。
また、要領よくこなしていく同僚を見て焦燥感を覚えたり劣等感に苛まれたりと
常に激しくストレスと対峙しているのです。
さらには、一見幸せだと言われる結婚や出産などがきっかけでうつ病になってしまう人もいます。
本当に誰でもが陥ってしまう病なのです。
最近では、脳内で分泌されているホルモンの異常だとも言われていますが、
発症の根本的な原因は未だ不明です。
では、実際にうつ病だと言う人が身近にいたらどう接することが良いのでしょうか。
うつ病だと打ち明けられたら・・

一般的に厳禁と言われているのは「頑張れ」「応援するから」などの励ましです。
うつ病に悩む人は、その安易な慰めにドンドンと追い込まれていくのです。
自分だって好きでうつ病になったわけではないのに、
そのジレンマが更に悪化していき、
最終的には自分が居なくなれば良いと思い、自殺する人も後を絶ちません。
これは治療にも関わってくることですが、うつ病に特効薬はなく、薬が合えば治って行く人もいますし、ひたすら休養が必要だと言う方、実に様々です。
ですからまずは、相手の苦しみや訴えを真剣に聞くことから始まります。
うつ病患者の頭は常に不安で混乱しているようなものです。
ですから一旦落ち着かせることがベストです。
その後には優しく見守るということが最良かと思います。
個人的な経験

色々と書いてきましたが私もうつ病を経験した一人です。
大学進学と共に、環境の変化に馴染めず自分の存在意義がわからなくなってしまったのです。
元々社交的ではなく、マイペースだと自覚していた性格から、
大学に居場所を見出すことが出来ず、駅に向かう途中で吐いてしまったり、無気力に襲われ、下車する駅を乗り過ごし、もう無理だと人目も憚らず泣き腫らしました。
今自分に起こっている感情の波に飲まれてしまい、
どうすれば学校に行けるのかそればかりを考えては体調を崩す日々でした。
程なくして、休学をすることになったのですが、通っていた心療内科でもらった薬も合わずに眠れない毎日でした。
ですがやはり霧はいつかは晴れるものです。
今でも完治したとは思えません。時折激しく感情が高ぶったり落ち込んだりの繰り返しです。
でもなんとか生きていけるものです。
もし、これを読んでくださった方の中に、
今も辛い想いをされている方がいたら一言声を掛けたいと思います。
「あなたは必要な人です。あなたはこの世界に居ていいんです。もう頑張らなくていいんです。一緒に泣いて笑いましょう。」